決まりごと

先日の人を殺してはいけないに関連するのだけれども、そもそも法律というかルールやマナーも含めた決まりごととはなぜ存在するかというと、ある人の欲と他の人の欲がぶつかるという問題が発生したときに、その問題を解決するためのコストを軽減するためにあるのだと思う。 だからこそ、一人しかいない世界(空間)では欲がぶつかることはありえないので、決まりごとも発生しないし、発生させる必要もない。 いや待て、欲は他人との間にだけぶつかるわけではなく、自分自身の中でもぶつかるわけだから、その時には何らかの決まりごとがあるとコスト軽減ができるというわけか、これは良いことに気がついた。 通常、欲と欲がぶつかった時の解決方法は、どちらかの欲を取り下げるか、どちらとも納得できる妥協点を探すことになるのだけれど、前者は良いとして、後者の妥協点を探すという作業は非常にコストがかかる。 良い例が浮かばないのだけど、遺産相続なんてのはどうだろう。これを決めておかないと多額の遺産があった場合に、サスペンスドラマみたいにドロドロになる*1こと請け合いだわさ。まぁ遺産相続なら一生のうちにそうあることでないので、少々コストがかかっても問題はない?でしょうけど、交通法規とかがなかったら問題対応にかかるコストが大きすぎておちおち外に出れない。 そういった問題対応コストを下げるために決まりごとがあるわけなのだ。 だから決まりごとはそうあるべきだから存在するのではない。全ての人がそうあるべきならば欲望がぶつからない。そうあるべきでない欲望が存在するから決まりごとが存在するのである。 決まりごとがそうあるべきことに近似しているのは、問題対応する際に多くの場合そうあるべき事柄に決着することが見込まれるために、そう決まりごとを作ったに過ぎないのだ。多分……

*1:決めてあってもドロドロになってるけど……